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学校教育法、国立大学法人法改正に反対

 本日の文部科学委員会で学校教育法、国立大学法人法改正案の採決が行われ、学校教育法改正案については修正、国立大学法人法改正案については原案が賛成多数で可決されました。社民党はいずれも反対しました。


 政府提出の学校教育法改正案は、教授会による過度な大学運営への関与が、大学改革を阻害していることを理由に、学長の権限強化を主な内容とするものです。しかし、委員会審議で明らかになったのは、教授会が過度に学校運営に関与しているという事実はなく、法改正をしなければならない立法事実が極めて希薄だということです。


 そもそも、教授会による大学運営への関与を制約する今回の改正案は、憲法23条が定める学問の自由を保障する大学の自治を脅かすものであり、「大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」と定めた教育基本法第7条2項の精神とも相容れません。


 また、国立大学法人法の改正では、学長の選考にあたって、学内選挙の結果にのみ従って学長を選考している事例は皆無であるにもかかわらず、大学構成員の学長選考への関与を縮小させようとしています。さらに、経営協議会の学外委員が学内委員よりも必ず多くなければならないとした法改正も、大学運営に関して、大学構成員を軽視するものと言わざるを得ません。


 国立大学法人については、独立行政法人化から10年を迎え、大学運営交付金の額が当初よりも1割近く減少し、外部資金や競争的資金の獲得競争で大学間格差が拡大しています。また、大学の教職員は、評価書の作成等の膨大な事務作業に追われていると指摘されています。喫緊に取り組むべきは、学長の権限を高めるためのガバナンス改革ではなく、独法化以後の10年を検証し、大学間格差や教職員の多忙化の現状をどう解消していくかにあるのではないでしょうか。


 今回の法改正によって、権限を強められた学長が、目先の結果にとらわれ、利益のみを追求する企業や経営側が望む研究や教育分野に偏重することになれば、大学教育の多様性が失われ、結果として日本全体の学術研究のレベルを低下させることにつながりかねません。以上が、政府提出の2法案に反対する理由です。


 90年代半ばに、難問中の難問と言われたフェルマーの最終予想(※a^n+b^n=c^nでnが2より大きい自然数のとき、a、b、cは自然数解を持たない)を証明したアンドリュー・ワイルズ氏は数年にわたって秘密裏に研究を行い、その間、学会や国際会議にほとんど参加せず、論文も必要最小限しか発表しませんでした。その苦闘については『フェルマーの最終定理』(サイモン・シン著)に詳しく書かれていますが、こんな偉大な研究者は今回の改正でますます日本では生まれづらくなってしまいます。




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