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吉里吉里人と9条

古橋健二、ゴンタザエモン沼袋、ベルゴ・セブンティーン、イッタカキタカ号――井上ひさしさんの代表作の一つ『吉里吉里人』に登場する個性豊かな人物・動物たちです。

東北の一寒村が、「吉里吉里国」と名乗り、日本から独立を宣言、それを叩き潰そうとする日本政府との攻防を描写した本作品。小説中には、国益を振りかざしながら村民の生活を破壊する政治と縁を切るために独立しようとしたことが雄弁に語られます。そこで指摘されている問題の数々、たとえば農業政策、たとえば自治体合併、たとえば若者の都市部への移動など、今でも地方、中山間地域にそのままあてはまるものばかりです。そうした数々理由の中の一つに憲法9条があります。

主要な登場人物のひとりであり、国際法にも明るい?ゴンタザエモン沼袋老人は、独立を早期に達成するために軍備を持つべきだという吉里吉里国民を前に、吉里吉里国憲法九条(日本国憲法九条を吉里吉里語に翻訳したもの)を読み上げた後、次のように語ります。「美し(うづぐす)いのう。子守唄(ねろてば)の様(よ)に優し(やさす)いのう。まるでお天道様(でんとさん)だ、公明正大で、よう。そすてがらに、まんつまんつ雄々し(おおす)いのう。力強い(ちからづえー)言葉だのう。皆の衆も知っての通り、俺達(おらだづ)、吉里吉里人は、この条文(くだり)ば日本国憲法がら盗んだんだっちゃ。この条文(くだり)さ、惚れで惚れで、惚れ抜いで、そんでそっくり搔っ払ってきたんだっちゃ。吉里吉里国の独立の理由、これははァ、とてもの事に一口では言(ゆ)われねえ」「星コの数ほどもある理由の内(うぢ)でキラキラて、一番星(ぼす)より明るぐ輝(かんがや)ぐなァ、この九条す。」

2010年に亡くなられた井上さん、生きておられたら「軍事国家を目指すべき」という政治家まであらわれる時代をどう見、どう切ったのでしょうか。

※()は作品ではルビとして振られています。





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